ストレス

ストレスは災害。文字どおり人を殺す。

こんにちは、最近は幸運が続き、ストレスがたまらなくて困っているりくです。

「ストレスは体に悪い」——まあ、みんな知ってますよね。でもそれ、どのくらい悪いか具体的に言える人って意外と少ないんです。

ストレスって、なんとなく「イライラする」「疲れる」くらいのイメージで止まってませんか?

はっきり言いますが、ストレスは災害です。人を殺します。

大げさに聞こえるかもしれませんが、これは比喩じゃありません。データが示している事実です。

私自身、浪人時代にストレスの恐ろしさを少しですが、身をもって経験しました。受験のプレッシャーで食欲がコントロールできなくなり、体重は15kg増!

当時は体重が増えたことにすら最後まで気づかず、後になって振り返ると原因はストレスでした。ストレスは睡眠不足より恐ろしい。音もなく、気づかないうちに、体を内側から壊していくんです。

この記事では、ストレスが肌だけでなく、あなたの命にまで関わるものだということをお伝えします。


年間1,800万人の心臓病死。その約30%にストレスが関与

WHOによると、2019年に心血管疾患で亡くなった人は世界で約1,790万人。全世界の死因の中で最も多い(WHO, 2019)。

そして、52カ国・約25,000人を対象にした世界最大規模の心臓病リスク研究「INTERHEART」(Yusuf et al., 2004, The Lancet)では、心理社会的ストレスの人口寄与リスクが約32.5%と報告されています。

これがどういう意味かというと、心筋梗塞を引き起こす要因のうち、約3割がストレスに起因しているということ。

喫煙や高血圧と並んで、ストレスは心臓病の主要なリスクファクターなんですね。

「肌荒れくらいならまだ我慢できる」と思っていた方もいるかもしれません。でもストレスが攻撃しているのは、肌だけじゃない。心臓をはじめとする全身の臓器です。

扁桃体が「火災報知器」を鳴らし続けている

なぜ現代人はこれほどストレスに苦しんでいるのか。メカニズムを知ると、少し冷静に捉えられるようになります。

私たちの脳には扁桃体(へんとうたい)という、いわば「火災報知器」のような部位があります。危険を察知したときに、瞬時にアラームを鳴らす器官です。

原始時代、ライオンに出くわしたとき。扁桃体が反応して、アドレナリンとコルチゾールが一気に分泌される。心拍数が上がり、筋肉に血液が集まり、一瞬で「逃げるか戦うか」の臨戦態勢に入る。これがいわゆる「闘争・逃走反応」です。

この仕組み自体は生存に必要なものなのですが、問題はライオンがいない現代で、扁桃体が鳴りっぱなしになっていることです。

満員電車、上司からのメール、SNSの通知、将来への不安——これらは命の危険ではないのに、私たちの脳はバグを引き起こし、扁桃体が反応してしまう。結果、アドレナリンやコルチゾールが日常的に分泌され続ける。

慢性的なストレスとは、火災報知器が壊れて鳴り続けている状態なんです。

コルチゾールが体を蝕む3つのルート

コルチゾール(ストレスホルモン)が慢性的に分泌されると、体にはどんな影響が出るのか。大きく3つあります。

食欲の暴走

コルチゾールが増えると、脳が「エネルギーを蓄えろ」という指令を出します。甘いものや脂っこいものが無性に食べたくなるのはこれが原因です。

私の浪人時代がまさにそうでした。勉強中にお菓子が止まらない。夜中にカップ麺を食べる。それが「意志が弱いから」だと自分を責めていましたが、違った。脳がストレスに対抗するためにカロリーを求めていたんです。

食欲の暴走は当然、肌にも影響します。高GI食品の過剰摂取が炎症を促進し、ニキビを悪化させることは食事の記事でも触れましたが、その食欲の暴走の裏にストレスが隠れていることも多いんですね。

眠れなくなる

コルチゾールは本来、朝に高く夜に低くなるリズムを持っています。このリズムが崩れると、夜になっても覚醒状態が続いて眠れなくなる。

睡眠不足が肌に与えるダメージについては前回の記事で詳しく書きましたが、そもそもその睡眠不足を引き起こしている犯人がストレスだった、というケースは非常に多い。マグネシウムやビタミンDを摂ると落ち着きますが、それでも寝つきが悪い場合は身体がSOSを出しているサインかもしれません。

肌のバリア機能が壊れる

Altemus et al.(2001)の研究(The Journal of Investigative Dermatology)では、ストレスが肌のバリア機能の回復を遅らせることが示されています。

私自身普段からSNSや本サイトで繰り返し発信していることですが、私たちの肌トラブルは身体の内側にあることがほとんどです。

バリア機能が低下すると、外部からの刺激に弱くなり、乾燥や赤み、ニキビができやすくなる。高い化粧水でバリアを補おうとしても、ストレスで壊し続けていたら意味がない。水漏れを直さずにモップで拭き続けてるようなものです。

今日からできる4つのストレス対策

ここまで怖い話が続きましたが、安心してください。ストレスは対策できます。

大事なのは、ストレスをゼロにしようとしないこと。それは無理だし、適度なストレスはむしろパフォーマンスを上げてくれます。慢性化して体を蝕んでいるストレスを減らしていきましょう。

手軽にできる対策を4つ紹介します。

軽めの運動

ウォーキングや散歩でもOK。20〜30分の有酸素運動がコルチゾールの分泌を抑え、代わりに気分を良くするエンドルフィンを出してくれます。

特に朝がおすすめのタイミングで、Harvard T.H. Chan School of Public Healthも、定期的な運動がストレスホルモンを減少させることを報告しています。ジムに行く必要は特になく、近所を歩くだけで十分な効果を実感することができます」。

8時間睡眠を確保する

睡眠とストレスは表裏一体です。ストレスが睡眠を奪い、睡眠不足がストレス耐性を下げる。この悪循環を断ち切るには、まず睡眠時間を確保することから始めるのが効果的。スマホのアラームを「寝る時間」にもセットしてみてください。

デジタル断食をする

SNSの通知、ニュースアプリ、LINEの未読。スマホは扁桃体を刺激する装置みたいなものです。1日1時間でいいので、スマホの電源を切る、もしくは別の部屋に置く時間を作ってみてください。最初は不安になるかもしれませんが、慣れると驚くほど頭がスッキリします。

本でも読みましょう!

人と食事をする

友人や恋人との食事は、オキシトシン(安心感や絆に関わるホルモン)の分泌を促します。一人で食べるコンビニ弁当と、大切な人と囲む食卓。栄養素が同じでも、体への影響はまったくちがいます。食事の柱とストレスの柱が交差するポイントですね。


まとめ

この記事のポイントを振り返ります。

  • 心臓病による死亡の約30%にストレスが関与している(INTERHEART研究)
  • 現代人の扁桃体は「火災報知器が壊れた状態」で、慢性的にストレスホルモンが出ている
  • コルチゾールの慢性分泌は、食欲の暴走・不眠・肌バリア機能の低下を引き起こす
  • 対策は「軽い運動」「8時間睡眠」「デジタル断食」「人との食事」

ストレスは目に見えないし、数値にもしにくい。だからこそ軽視されがち。でも、放っておくと肌どころか命にまで関わる。

私は浪人時代に15kg太ったことで、ストレスの怖さを痛感しました。あの経験がなかったら、今こうして「ストレスケアも肌の柱だ」と言い切ることはできなかったと思います。

まずは今日、スマホを30分だけ手放してみてください。それだけで、あなたの扁桃体は少し静かになるはずです。

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参考文献

  • World Health Organization (2019). Cardiovascular Diseases (CVDs) Fact Sheet.
  • Yusuf, S. et al. (2004). "Effect of potentially modifiable risk factors associated with myocardial infarction in 52 countries (the INTERHEART study): case-control study." The Lancet, 364(9438), 937–952.
  • Rosengren, A. et al. (2004). "Association of psychosocial risk factors with risk of acute myocardial infarction in 11119 cases and 13648 controls from 52 countries (the INTERHEART study): case-control study." The Lancet, 364(9438), 953–962.
  • Altemus, M. et al. (2001). "Stress-induced changes in skin barrier function in healthy women." The Journal of Investigative Dermatology, 117(2), 309–317.

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