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運動が続かない本当の理由|意志が弱いは嘘

こんにちは、このあいだパーソナルジムの体験会に行き、初日から死ぬほど脚トレさせられて顔面蒼白のりくです。

「運動が大事なのはわかった。でも続かない。」

前回の記事で、運動が肌に与える影響について書きました。血流が肌に栄養を届けること、軽い有酸素運動で肌が若返るという研究があること。読んでくれた方の中には「よし、明日から歩こう」と思ってくれた人もいるはずです。

でも、正直に聞きます。その「明日から」、始められましたか?

始められなかったとしても、あなたが悪いんじゃない。意志が弱いわけでもない。続かないのには、ちゃんとした脳の仕組みがあるんです。

この記事では、なぜ運動が続かないのかを脳科学の視点から解き明かし、「気づいたら続いていた」という状態を作るための具体的な方法をお伝えします。


意志力で運動を続けようとするのは、そもそも間違い

「今日は疲れたけど、頑張って走ろう」「サボりたいけど、自分に負けちゃダメだ」

こういう気合いで運動を続けようとしている人、めちゃくちゃ多いです。私もそうです。でもこれって、脳の仕組みを完全に無視した、最初から負けが決まっている戦いに挑むようなものなんですよね。

私たちの脳は、基本的にエネルギーを節約したがる臓器です。これを説明するためには、私たち人類が生まれた20万年前ほどにタイムスリップしなければならないので割愛しますが、新しい行動をするたびに脳はエネルギーを消費する。だから脳は「いつも通り」を好む。これは怠けているんじゃなくて、生存のための設計なんです。

つまり、運動を「毎回意志力で決断する行動」にしている限り、脳は毎回ブレーキをかけてきます。意志力は消耗品なんです。朝から晩まで仕事や勉強で決断を繰り返した脳に、夜さらに「走るか走らないか」を考えさせたら、答えはだいたい「走らない」になる。これが、継続できない人にありがちなルーティーンです。

じゃあどうすればいいのか?答えはシンプルです。

運動を「決断」から「習慣」に変える。 歯磨きと同じレベルにする。「やるかどうか考える」という段階をなくす。


習慣化のカギは「66日」と「楽しさ」

UCL(ロンドン大学)のPhillippa Lallyらの研究(2010年、European Journal of Social Psychology)では、新しい行動が「習慣」として定着するまでに、平均で66日間かかることが報告されています。

ただし、これはあくまで平均値。簡単な行動(朝食後に水を1杯飲む)なら18日で習慣化した人もいれば、複雑な行動(毎日腹筋50回)は254日かかった人もいました。

ここで重要なポイントが2つあります。

1つ目:1日サボっても、習慣化に影響しない。

Lallyの研究では、1日くらい抜けても習慣化のプロセスにはほぼ影響がなかったと報告されています。つまり、「昨日サボったからもうダメだ」と思って全部やめてしまうのが一番もったいない。完璧じゃなくていいんです。

2つ目:「楽しい」と感じる運動は、習慣になりやすい。

カナダのKaushal & Rhodes(2015年、Journal of Behavioral Medicine)の研究では、新しくジムに入会した111名を12週間追跡調査し、運動の習慣化に必要な条件を調べました。その結果、習慣化を予測する最も大きな要因のひとつが「楽しいと感じるかどうか」だったんです。

これ、すごく大事な話だち私は思います。「頑張って耐える運動」は続かないけど、「気持ちいい」「楽しい」と感じる運動は脳が報酬として記憶するから、自然と繰り返したくなる。

私が高校時代、サッカー部で筋トレにハマれたのも、まさにこれでした。友達と一緒にやって、お互いに煽り合って、試合前も試合後もやるくらいのめり込んだ。キツいというよりも楽しかった。あれが一人で黙々とやる筋トレだったら、絶対に続いていません。


「気づいたら続いていた」を作る5つの仕掛け

理論はわかった。じゃあ具体的にどうするか。

「気合いで頑張る」の対極にある、仕組みで続ける方法を5つ紹介します。

① 運動を「既存の習慣」にくっつける

行動科学では「習慣スタッキング」と呼ばれるテクニックです。すでに毎日やっていることの前後に、新しい行動をくっつける。

たとえば、「歯を磨いた後にスクワット10回」「お風呂に入る前にストレッチ3分」。こうすると「やるかどうか」を考えなくて済む。歯磨きの延長として体が動き出します。

私は今、「パソコンを開く前にスクワット10回」をやっています。最初は面倒くさかったですが、2週間もしたら何も考えずにやるようになりました。

② ハードルを下げきる——「1分でOK」

「20分歩こう」が続かないなら、「玄関の外に出て深呼吸するだけ」でいいです。ポイントはバカみたいにハードルを下げること。

脳は「始めること」に一番エネルギーを使います。でも一度始めてしまえば、「せっかくだしもう少しやるか」となることが多いので、これをうまく使いたい。やる気は行動の前に来るんじゃなくて、行動の後に来る。

だから最初のハードルは、限界まで低くしてください。

③ 「楽しい」を最優先で選ぶ

筋トレが嫌いなら、やらなくていいです。散歩が好きなら散歩でいい。ダンスでも、ヨガでも、犬の散歩でも、なんでもいい。

前述のKaushal & Rhodesの研究が示しているように、楽しさが習慣化の最大の燃料です。「効率が良い運動」より「続けられる運動」のほうが、肌にとっても体にとっても100倍価値がある。

私がHIITで失神しかけた経験も、結局は「自分に合わない運動を無理してやった」から起きたことです。

④ 誰かと一緒にやる

友達、家族、恋人。誰かと約束してしまえば、サボるハードルが上がります。

「明日朝8時に一緒に散歩しよう」——この一言で、翌朝の行動はほぼ確定する。意志力に頼るんじゃなくて、社会的なコミットメントを使う。繰り返しになりますが筋トレを続けられたのも、仲間がいたからです。

⑤ 記録する

「今日やったかどうか」をカレンダーに丸をつけるだけでも効果があります。

連続記録が伸びてくると、「この記録を途切れさせたくない」という心理が働く。これ、行動経済学でいう「損失回避バイアス」に近い仕組みです。人は何かを得るよりも、すでに持っているものを失うことを嫌がる。

スマホのメモでもカレンダーでもなんでもいいので、やった日に印をつけてみてください。


まとめ

この記事のポイントを振り返ります。

  • 運動が続かないのは意志が弱いからじゃない——脳がエネルギー節約のためにブレーキをかけている
  • 新しい習慣の定着には平均66日かかる。ただし1日サボっても問題ない
  • 「楽しい」と感じる運動ほど習慣化しやすい——キツさは正義じゃない
  • 続けるコツは仕組み化:習慣スタッキング、ハードルを下げる、誰かと一緒にやる

ストレスの記事でも触れましたが、運動にはコルチゾール(ストレスホルモン)を減らし、エンドルフィンを出す効果があります。続ければ続けるほど、肌だけじゃなくメンタルも安定する。その好循環の入口は「たった1分の軽い運動」から始まります。

今日、歯を磨いた後にスクワットを10回だけやってみてください。それが66日後、あなたの「当たり前」になっているかもしれません。

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参考文献

  • Lally, P., van Jaarsveld, C. H. M., Potts, H. W. W., & Wardle, J. (2010). "How are habits formed: Modelling habit formation in the real world." European Journal of Social Psychology, 40(6), 998–1009.
  • Kaushal, N. & Rhodes, R. E. (2015). "Exercise habit formation in new gym members: a longitudinal study." Journal of Behavioral Medicine, 38(4), 652–663.
  • Harvard Health Publishing (2020). "Exercising to Relax." Harvard Medical School.

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