こんにちは!
1日10分のデジタルデトックスをおすすめしているりくです。
みなさん、寝る前にスマホ、見てますよね。見てない人はこの記事を閉じて大丈夫です。もうそれだけで肌にとっては正解なので。
……まだ読んでる方。仲間です。
ネットが普及した現在、いいことの方がたくさんありますが、こと健康に関しては正直疑問を感じざるを得ません。高校時代、顔中ニキビだらけだった頃の私は、毎晩ベッドの中でネットを開いて「ニキビ 治し方」「おすすめ 化粧水」を延々と検索していました。誰かが紹介していた化粧品を見つけては買い、試し、治らなくて落ち込み、また検索する。月5万円以上を費やした時期もありました。
今振り返ると、あの時間そのものが肌荒れの原因だったんです。
この記事では、SNSやスマホの使い方がストレスを通じて肌にどんなダメージを与えるのか、そのメカニズムと具体的な対処法をお伝えします。
SNSを見ると、コルチゾールが下がらなくなる
前回のストレス記事で、コルチゾール(ストレスホルモン)が肌のバリア機能を壊すという話をしました。覚えていますか?
ここで怖いデータを1つ紹介します。
Frontiers in Psychology誌に掲載されたRus & Tiemensma(2017)の実験では、ストレスを受けた後にSNS(Facebook)を使ったグループと、静かに読書をしたグループを比較しました。結果、SNSを使ったグループはコルチゾールの回復が有意に遅れたことが報告されています。
要するに、ストレスを感じた後にスマホでSNSを開くと、ストレスから回復できなくなる。
多くの人は「SNSを見てリラックスしている」と思っているかもしれません。でも脳の中では真逆のことが起きています。コルチゾールが高いまま維持されるということは、肌のバリア機能がずっと攻撃を受け続けているのと同じです。
よく職場で休憩時間にスマホをポチポチしている人がいますが、体は休まっても脳はずっと労働させられているようなものです。
キリストでは、体という入れ物に精神をはめ込んで人間ができるという考えらしいのですが、脳はここでいう精神の部分。精神が腐ってしまっては、いくら高い化粧水を塗っても、追いつかないわけです。
スマホは「扁桃体を刺激する装置」である
なぜSNSがストレスを増やすのか。理由は脳の仕組みにあります。
前回の記事で、扁桃体(へんとうたい)は「火災報知器」のような役割を果たしていると書きました。危険を察知すると瞬時にアラームを鳴らす器官です。
SNSの通知は、この扁桃体を何度も刺激(ONの状態)します。
新しいコメントがつけば「評価されるかも/批判されるかも」。フォロワーが減れば「嫌われたかも」。誰かのキラキラした投稿を見れば「自分はダメだ」。こうした反応のたびに、扁桃体はアラームを鳴らし、コルチゾールやアドレナリンが分泌されます。
しかもSNSのアルゴリズムは、あなたの注意を引き続けるように設計されている。ドーパミン(快楽に関わる神経伝達物質)を小刻みに放出させるような構造になっていて、「もう少しだけ」「あと1スクロールだけ」と脳を引き止める。スロットマシンと同じ原理です。
これが毎日、何時間も続く。扁桃体は壊れた火災報知器のように鳴り続け、コルチゾールは慢性的に高い状態が維持される。肌荒れが治らない理由が、まさにここに隠れています。
「あの人の肌、きれいだな」が肌荒れを悪化させる
SNSが肌荒れに関わるルートは、コルチゾールだけではありません。
もう1つ、見落とされがちなのが「社会的比較」によるストレスです。
InstagramやTikTokで流れてくる美肌の投稿。あれはフィルター、照明、角度、加工、すべてが計算されたものです。頭ではわかっていても、無意識のうちに「自分の肌は汚い」と比較してしまう。
心理学ではこれを「上方比較」と呼びます。自分より優れた(ように見える)他者と比較することで、自己肯定感が下がり、ストレスが増える現象です。
肌荒れで悩んでいる人にとって、これは特にきつい。SNSを開くたびに「きれいな肌」を見せつけられて、自分の肌を鏡で見て落ち込む。その落ち込み自体がコルチゾールを上げ、肌のバリア機能をさらに壊す。
肌荒れ → SNSで比較 → ストレス増加 → コルチゾール上昇 → 肌荒れ悪化
この負のループ。私自身がずっとハマっていたサイクルもこれです。SNSで見つけた化粧品を次々と試して、治らなくて絶望する。その絶望が新たなストレスとなり、さらに肌を壊していた。化粧品の選び方が間違っていたのではなく、SNSとの付き合い方そのものが間違っていたんです。
ベッドでのスマホが良好なターンオーバーを止める
睡眠の記事でも触れましたが、肌の細胞は寝ている間に再生します。成長ホルモンが分泌されるのは深い睡眠(ノンレム睡眠)の時間帯。ここが肌のゴールデンタイムです。
ところが、寝る前にスマホを見るとこのゴールデンタイムが壊れます。
Chang et al.(2015, PNAS)の研究では、就寝前に光を発するデバイスを使用した人は、メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が抑制され、入眠が遅れ、翌朝の覚醒度も低下したと報告されています。
ブルーライトが問題だという話は聞いたことがあるかもしれませんが、本質はそこだけじゃない。SNSのコンテンツそのものが脳を覚醒させるんです。コメント欄の炎上、気になる投稿、面白い動画。脳が興奮状態になったまま眠ろうとしても、質の高い睡眠は得られません。
成長ホルモンが出ない → ターンオーバー(肌の細胞が入れ替わるサイクル)が乱れる → 古い角質が溜まる → 毛穴が詰まる → ニキビ。
スキンケアの問題ではなく、スマホの使い方の問題です。ここでもストレスと睡眠、2つの柱が交差しています。
今日から実践できる「スマホとの距離の取り方」3つ
ここまで読むと、「SNSをやめなきゃ」と感じるかもしれません。でも現実的に、完全にやめるのは難しいですよね。私自身、SNSで発信もしているので、やめるつもりはありません。
大事なのは、やめることじゃなくて距離の取り方を変えること。
心理学者ゴルヴィッツァーの研究では、「いつ・どこで・何をするか」を具体的に決めた人は、漠然と目標を持った人よりも2〜3倍行動に移す確率が高いことがわかっています。これを「実装意図」と呼びます。
「スマホを減らそう」ではなく、具体的な行動を決める。それだけで成功率が跳ね上がります。以下の3つを試してみてください。
1. 「夜10時になったら、スマホを寝室の外に置く」
場所を具体的に決めてください。「リビングの棚の上」「玄関の靴箱の上」——どこでもいい。ポイントは寝室に持ち込まないこと。
目覚まし時計代わりにスマホを使っている人は、安い目覚まし時計を1つ買ってください。1,000円の投資で睡眠の質が変わります。これは睡眠の柱にも直結する対策です。
2. 「朝起きて最初の30分は、スマホを見ない」
朝一番にSNSを開くと、他人の情報で1日が始まります。脳がまだ静かな状態のうちに、SNSの情報洪水を浴びせるのはもったいない。
代わりに何をするか? 水を飲む。顔を洗う。ストレッチをする。これだけで十分です。運動の柱で紹介しているような軽いストレッチを朝に取り入れると、コルチゾールの日内リズムも整いやすくなります。
3. 「SNSを開く前に『何を探すか』を決める」
SNSの一番の危険性は目的意識が無いことです。Amazonを開くときはほしい商品があるから、Netflixを開くときは見たいものがあるから。でも、ことSNSに関しては「暇だから…」で気づいたら開いてる。これが一番危険なことなんですよね。
ゴルヴィッツァーの実装意図をSNSにも適用しましょう。
「○○のレシピを調べる」「友達の投稿を5分だけ見る」——目的を決めてから開く。目的が達成されたら閉じる。この習慣がつくと、無目的スクロールによる比較ストレスが一気に減ります。
まとめ
この記事のポイントを振り返ります。
- SNS使用はコルチゾールの回復を遅らせ、ストレスを慢性化させる(Rus & Tiemensma, 2017)
- SNSの通知やアルゴリズムは、扁桃体を繰り返し刺激してストレスホルモンを出し続ける
- 他人の美肌投稿との「社会的比較」が自己肯定感を下げ、肌荒れの負のループを作る
- 夜スマホはメラトニンを抑制し、ターンオーバーを乱す
- 対策は「実装意図」を使い、具体的な行動ルールを決めること
SNSは悪ではありません。ただ、使い方を間違えると、あなたの肌を静かに壊し続けます。
私はSNSで見た化粧品に月5万円以上を使い、肌を治すどころか悪化させました。あの頃の自分に教えてあげたいのは、「その化粧品を買う前に、スマホを置け」ということです。
まずは今夜、寝る前にスマホを寝室の外に出してみてください。置く場所を、今この瞬間に決めてください。それだけで、あなたの肌の回復は確実に早くなります。
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参考文献
- Rus, H. M., & Tiemensma, J. (2017). "Social Media under the Skin: Facebook Use after Acute Stress Impairs Cortisol Recovery." Frontiers in Psychology, 8, 1609.
- Chang, A.-M. et al. (2015). "Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep, circadian timing, and next-morning alertness." Proceedings of the National Academy of Sciences, 112(4), 1232–1237.
- Gollwitzer, P. M. (1999). "Implementation Intentions: Strong Effects of Simple Plans." American Psychologist, 54(7), 493–503.
- Altemus, M. et al. (2001). "Stress-induced changes in skin barrier function in healthy women." The Journal of Investigative Dermatology, 117(2), 309–317.